◆愛情ホルモンに注目

コロナ鬱(うつ)が深刻です。新型コロナウイルスの影響が長期化する中、子供たちにも鬱症状が広がっています。

国立成育医療研究センターによると、高校生のなんと30%に鬱症状が見られ、中学生の24%、小学生の15%が「気分が落ち込む」などと訴えています。中には、「死んだ方がいい」と時々考える子もいます。

コロナ禍の子どもたちの世界も、厳しい状態にあるようです。弱い者に対する差別も広がっています。保護者も、29%に鬱症状が認められました。コロナとの闘いが長引く中で、悪循環が起きているのです。

◆子供や孫に声をかける

この連載を読んでくださっているあなたも、今苦しい思いをしているかもしれません。しばらくご家族と会えていない方もいるでしょう。そんな時は、離れたご家族やお孫さん、友人、かつての部下などに電話をしてみたり、ふるさとのおいしいものを送ってあげたりするといいと思います。

もらった側はもちろんうれしい気持ちになりますし、送った側も愛情ホルモン「オキシトシン」が分泌され、元気になるのです。愛情ホルモンのオキシトシンは、本来ハグをしたり、握手をしたりする時に出ると言われていますが、相手の身になる行動をすることでも出るのです。

今、みんなが苦しい思いをしています。久しぶりに懐かしい人の声を聞いて、遠くから気遣ってみましょう。相手にとっても、自分の心の健康も守るためにも、とてもいいことです。

◆テレビ、ラジオでもおなじみの医師で作家の鎌田實氏が、長引く新型コロナウイルスの感染症との付き合いで、私たちにできること、いかに困難と向き合っていくか、じっくりとお伝えしていきます。