『仕事のリセットで脂肪肝に』

新型コロナウイルス第5波で再び厳しい自粛生活に突入し、外出を控え、医療機関の受診も一時的に止め、巣ごもりに…。だが、その結果、生活習慣病の悪化や、自律神経の乱れなどで体調を崩した人がいる。そこで、あらためてWithコロナでの健康管理について考えたい。

まずは、暴飲暴食でダメージを受けやすい肝臓から。

「昨年来、健康診断の肝機能検査で異常値が生じ、精密検査を受けに来院する患者さんが増えました。リモートワークで、飲酒量やお酒のおつまみなどを食べる量が増え、運動不足で肥満となり、脂肪肝になった方が多くいるのです」と、東海大学東京病院客員准教授の茂出木成幸医師(櫻澤医院院長)。肝臓病を専門とし、同病院の抗加齢ドックの診断・指導も行っている。

自宅で仕事をしていると、仕事とプライベートの時間の区切りが難しい。その合図や寝酒として飲酒を活用する人がいる。夕方の5~6時に仕事を終えてホッと一息つきながら一杯。夕食のときも飲み続けていると、気づかぬ間に酒量が増えて依存してしまうことがある。

「東京五輪などのスポーツ観戦で盛り上がり、酒量や間食が増えた方もいました。体重の増加が加わると、脂肪肝へと進行することがあるので注意しましょう」

健診の肝機能検査で、AST(GOT)31U/L以上、ALT(GPT)31U/L以上、γ-GT(γーGTP)が51U/L以上の人は、肝機能に異常が生じている証しです。放置をしないでかかりつけ医などに相談を。

◆長引く新型コロナウイルス感染症との戦いは、私たちの生活習慣にも影響を及ぼしています。昨年に続いて医療ジャーナリストの安達純子さんが、日常生活の心がけで健康を守るための秘策をお伝えします。