『腸内を整えて肝臓を守って免疫力もアップ』

近年、免疫力の強化で腸内細菌が注目を集めている。肝臓の病気とも関係が深い。

「腸内環境が悪いと腸の働きが落ち、腸管のバリアー機能も破綻します。腸内細菌に関わる炎症物質などが腸管を経て肝臓に到達することで、肝炎や肝がんの引き金になると報告されています」とは、東海大学東京病院客員准教授の茂出木成幸医師(櫻澤医院院長)。肝臓病や生活習慣病などの治療を得意としている。

腸内細菌は多種多様な細菌群で構成され、善玉菌や悪玉菌がバランスをとることで、ビタミンや酢酸などを産生して健康に寄与している。腸を動かし、腸のバリアー機能や免疫の働きを維持できるのも、腸内細菌のおかげだ。しかし、食生活が乱れると腸内細菌のバランスも崩れ、悪玉菌が増えるようなことが起こる。それが、病気の引き金になると報告されている。

「肝がんや肝炎といった肝臓病以外にも、腸内細菌は循環器疾患や他のがんとの関係も深いことがわかっています。コロナ禍の乱れた食生活を見直すときに、腸内細菌を整えることも意識しましょう」

善玉菌を増やすには、ヨーグルトや乳酸菌を含む発酵食品を活用するのが一般的な方法だろう。善玉菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維も役立つ。

「もちろん、腸内細菌を整えるからといって食べ過ぎはよくありません。ご飯や肉類などは多くならないように、野菜や食物繊維もバランスよくとることを考えましょう」