(23)『お酒に強い男性は糖尿病になりやすい』

コロナ自粛の「家飲み」では、酒量が増えることがある。仕事が終わった夕刻から気晴らしの一杯。酔っぱらってもすぐに布団に入って眠れる。加えて、酒に強いとなかなか酔わないため、酒量が増えてしまう人も…。

だが、先頃、「アルコールに強い男性が糖尿病になりやすいメカニズム」に関する論文が、順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学/スポーツ医学・スポートロジーの田村好史先任准教授らの研究グループによって世界で初めて発表された。アルコールに強いタイプの男性は糖尿病になりやすいというのだ。

「アルコールは体内で2つの酵素により、水と二酸化炭素に分解されていきます。その酵素の1つ(ALDH2)が遺伝的にアルコールに強いタイプの男性は、糖尿病になりやすく、その原因はアルコールにより肝臓が糖を放出しやすくなることが一因のようだということが分かりました」と田村准教授は説明する。

インスリンは血糖値をコントロールするホルモンの1つ。ブドウ糖を肝臓内にとどめる働きがインスリンにはある。しかし、アルコールに強い男性では、つい多めに飲酒してしまい、その結果この作用が低下し、血中にブドウ糖が放出され血糖値が上がり、糖尿病になりやすくなってしまうようだ。

「飲める人でもビールであれば350ミリリットル程度に飲酒を控えると同時に、油っぽいおつまみやご飯や麺類などの炭水化物も食べ過ぎないように注意しましょう」