(29)『高齢の両親への健康を考えた言葉とは』

変異株による新型コロナの感染者数の増加で、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令され、感染予防の一環として外出控えが当たり前のようになった。ワクチン接種を2回終えても心配で、遠くに離れて住む高齢の親に、「なるべく外出しないように。人混みに出ないように」という人もいる。だが、結果として高齢者は、新たな健康を害する事態に陥ることがある。

「昨年来、外来のご高齢の患者さんは、以前のように歩けなくなった、体力が落ちたと言う人が増えています。ひとつの理由として感染予防の外出控えが考えられます」と、順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学/スポーツ医学・スポートロジーの田村好史先任准教授。コロナ禍の自粛生活による運動量の低下などで、健康2次被害に陥る人を予防するため、医師や学者、市町村や企業の有志が集まった組織「健康二次被害防止コンソーシアム」の発起人のひとりである。

「患者さんは『子どもに外出はダメといわれている』と話すことが多い。ジッと動かないでいると筋力が低下し、移動能力の低下に加え、糖尿病や認知症、脳卒中などのリスクが上がります。コロナ予防に努めながら健康を維持するために散歩などすることも、お子さんからも勧めていただきたい」

スポーツ庁も、高齢者の健康2次被害を防ぐため、パンフ(https://www.mext.go.jp/sports/content/000081514.pdf)などを作成しているので参考に。