フェブラリーSまでの調整過程が決して順調ではなかったミックファイア(牡4、渡辺和)。軽いダートがいいタイプとはいえ、それで0秒8差7着は立派だなと思ったが、爪が割れて帰って来ていたという。それを聞いて、ますます最後の伸びに底力を感じた。

「2週間ぐらいは痛くて馬場入りできなくて引き運動だけ。そこからだったので、トレッドミルから立ち上げて、なんとか」と渡辺和師。川崎記念を見送り、爪の様子を見ながら次の照準をかしわ記念に定めた。それからは順調にメニューを消化。「いい調教パートナーが身内にいるので、そのおかげは大きいですね。これだけいい状態でいけるのは3歳の時以来じゃないかな」。大井記念に向けてピッチを上げていきたい厩舎の総大将、セイカメテオポリス(牡6、渡辺和)の胸を借り、併せ馬で十分に負荷をかけてきた。

陣営の秋の青写真は南部杯からチャンピオンズC。その前に招待されればコリアCで始動したいという。そのためにはかしわ記念で結果を出してレーティングを上げたいところ。船橋の軽くないダートの克服が課題だが、最終追い切りまで順調にきた今回は力を出し切ってほしい。【牛山基康】