「こころに効く精神栄養学」(女子栄養大学出版部)の著者で帝京大学医学部精神神経科学講座の功刀浩主任教授が心の健康状態が悪化することの危険性についてこう説明する。

「うつ病になると、物事への興味がわかない、喜びを感じないといった憂鬱(ゆううつ)な気分が毎日続くようになります。食欲がない、ぐっすり眠れないといった症状がみられます。性欲も減退し、体重が減るといったことも多いですが、過食で体重が増えることもあります」

「この世からいなくなりたい」と考えてしまうこともある。

「うつ病は原則的には治るものなので、本人、周囲の人が早めにそのサインをキャッチすることが大切です」

次の簡単なテストも目安にしてほしい。まず、「毎日、一日中、気分が沈んでいる」「なにに対しても楽しめない、興味がわかない」のどちらかあるいは両方が当てはまり、次に以下7つの項目を見てください。

「食欲がない、体重が減った」「寝付けない、夜中や朝方に目が覚める」「話し方や動作が遅くなった、またはイライラしたり落ち着きがない」「気力がない、疲れやすい」「仕事や家事などに集中できない」「自分には価値がない、申し訳ない気持ちを感じる」「この世から消えてしまいたい、死にたいと考える」

当てはまるものの合計が5つ以上で、それが2週間以上続いて生活に支障が来している場合は赤信号だ。そこまで至らなくても思い当たる症状があれば要注意です。早めに専門医を受診しましょう。