過剰なコルチゾールを抑えてストレスをやわらげるビタミンCは、野菜ではピーマン、ブロッコリー、果物のキウイ、イチゴ、レモンなどのかんきつ類、腸内環境をよくする食物繊維は玄米、豆類、キノコ類、海藻類、ゴボウ、キウイなどに多い。

とりわけキウイフルーツは、最近になってニュージーランドの研究チームが不安や抑うつ症状の改善に役立つとして発表している。若い成人男性を対象にした実験でキウイフルーツを1日2個ずつ6週間食べた群では、気分障害と疲労がそれぞれ約4割減少し、逆に活力は約3割上昇したという。

うつ症状の改善と予防に期待できる栄養素であるビタミンCは鉄の吸収を助けてくれるほか食物繊維、タンパク質の消化を助けるアクチニジンという分解酵素や葉酸が豊富に含まれており“ポジティブフード”の注目株だ。

「こころに効く精神栄養学」(女子栄養大学出版部)の著者、帝京大学医学部精神神経科学講座の功刀浩主任教授は「うつ病のリスクを下げるバランスのよい食事ということでは、『地中海式食事』がよいといわれています。これは野菜、果物、種実類、豆類、魚介類、オリーブ油、穀類、適量の赤ワインという内容で、肉類や乳製品は少ないのが特徴です。ただ日本人では乳製品はもっと摂取したほうがいいといわれており、あてはまらない点もあります」と話す。

地中海式にヘルシーさでは和食も負けていないが、注意も必要だと指摘する。