日本人の死因トップのがんで亡くなる人の中で、最も多いのが「肺がん」です。

進行しないと自覚症状が現れにくいばかりか、症状があったとしても気付きにくいからです。肺がんを早期に発見するためには、定期的に「肺がん検診」や「人間ドック」を受けることが大切なことです。

それらの検査で必ず行われるのが「胸部エックス線検査」。肺がんの多くは胸部エックス線検査で発見できます。ただ、肺がんでも小さなものや淡くしか写らないものは、胸部エックス線検査では見つけられないことが少なくありません。心配な場合は、「胸部CT検査」を行います。

実際に、これらの検査で肺がんが早期に発見されるケースが増えています。だから、40歳を過ぎたら、肺がん検診とともに数年に1回程度は胸部CT検査を受けるべきだと思います。特に、タバコを吸っている人は検診を欠かさないようにしましょう。

このように言うと、「私はたばこを吸っていないので関係ない」という人がいます。「タバコを吸わないから肺がんにならない」ということはありません。吸わない人でも肺がんを発症する人は少なくありません。特に女性では喫煙者ではなくて肺がんになる人が少なくありませんので、検診はとても重要になります。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)