肺がんは「小細胞がん」と「非小細胞がん」に大別されます。ただし、小細胞がんは進行が極めて速く、手術が行えるケースが極めて少ないため、治療上の観点から進行度を分類することが多いのです。

では、今回は「腺がん」「扁平(へんぺい)上皮がん」「大細胞がん」で構成されている非小細胞がんの病期と治療について紹介します。治療を選択するうえで重要なのが、この病期。それは病期によって治療が大きく変わるからです。

病期はがん細胞の広がり度合いによってがんの進行度を分類するもので、現在使われているのは国際的な「TNM分類」。Tは原発がんの大きさや進展度、Nはリンパ節転移の有無、Mは遠隔転移です。

◎1期 がんは小さく片方の肺にとどまっていて、リンパ節に転移していない。

◎2期 がんは小さく片方の肺にとどまっているが、近くのリンパ節に転移している。

1期、2期は、治療では手術が中心となります。ただ、1期で手術をするにしても、がんの大きさが3~4センチの場合と、1センチの場合では治療成績がそれなりに違うので、やはり肺がんはなるべく小さいうちに、できれば2センチ以下で発見して手術されるのがベスト。そのためには、肺がんは症状が出ないうちに検査で見つけ、治療を受けてください。

そして、病期の3期、4期の状態と治療については次回に--。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)