肺がんの中の小細胞がんは、がんの進行度によって「限局型」と、かなり進行してしまった「進展型」に分けられます。当然、治療は異なります。

限局型の治療は「化学療法」と「放射線治療」。化学療法は抗がん剤でがん細胞の分裂・増殖を抑える治療です。その抗がん剤は「シスプラチン」と「エトポシド」が多く使われ、どちらも点滴投与です。

治療は、シスプラチンが4週に1日投与、エトポシドは4週に3日連続投与。最初の1日目は両方の抗がん剤を投与し、2日、3日目はエトポシドだけを投与します。このトータル約4週間が1コースで、4コースまで続けて行うのが標準治療となっています。

一方、放射線治療は15日間照射で、最初の抗がん剤1コースがこれに加わります。放射線治療は平日だけなので、週に5日間、3週間です。最もスタンダードな放射線治療は、分割照射。これは1日に午前と午後の2回照射法です。1回の照射は数分で終わります。30回の照射で放射線量は45グレイなので、1回1・5グレイで、1日3グレイの照射になります。

放射線治療が加わる1コース目は、基本3週間の入院で、2コース目からは3日程度の短期入院、もしくは外来で抗がん剤の投与を繰り返すことになります。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)