小細胞がんの「限局型」の治療は「化学療法」と「放射線治療」が中心。その具体的な治療の進め方は前回紹介しました。では、治療をきちっと4コース行うと、がんの状態はどうなるのか--。

小細胞がんは進行が極めて速いのですが、抗がん剤に対する反応も同じように速い。実際、治療の2コース目が終了した時点で、レントゲンに写らないくらいにがんが縮小していることも--。3コース目くらいにはCT画像をとってもがんの影が消えている状態ということもあります。

それでも、がんが残っている可能性が十分ありますので、4コース終了まできちっと治療は行います。4コース目が終了し、がんが消えている状態であれば、基本的には治療は終了。あとは、この状態が続いてくれることを祈り、定期的に外来での画像検査を続けていくことになります。

加えて、採血をして腫瘍マーカーのチェックもしっかり続けます。それは、小細胞がんの増大や縮小に対し、腫瘍マーカーは鋭敏に反応するからです。

この定期検査は月1回程度行います。小細胞がんは再発までの時間が短く、再発した場合には肺以外への転移の可能性があるのです。検査を3カ月後などにしてしまうと、再発していた場合は、全身に転移している可能性がないとは言えないからです。ここは万全の注意を払って対応することが重要です。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)