新型コロナによって生活が大きく変わり、健康の維持が難しくなった、そんな人が増えています。コロナ禍の今こそ、健康に向かって歩き出すために「行動変容」が重要になります。その注目の行動変容とは-。

自分の体に対して、健康という意識が向いていなかったところを、しっかり意識付けをしてもらう。そして、意識付けの中から「生活習慣を見直してもらう」、これが行動変容です。

習慣の中には「運動」「食事」「睡眠」「ストレス解消法」などがあり、行動変容の4本柱です。

この行動変容によって、生活習慣病で苦しむ患者さんを改善に導くのが、私どもが行っている「行動変容外来」。行動変容外来は、2016年(平28)に東京慈恵会医科大学病院(東京都港区)に、大学病院としては初めてオープンさせました。

私が行動変容外来を始めようと思ったのは、生活習慣病の患者さんを診察しているころ。ちょうど、私自身ぎっくり腰になり、手術を避けたいことから3カ月くらい入退院を繰り返しました。その不安定な時に看護師などの医療スタッフのありがたみを強く感じたのです。

大学病院なので医師はいます。そこに看護師や栄養士などスタッフも十分いるということで、そのチームで行動変容外来をやってみたいと考えたのです。そして、その背中を押してくれたのは、誰あろう患者さんの言葉でした。それは、次回に-。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)