<1>体重<2>血圧<3>血糖<4>脂質-。これは生活習慣病の4つのマーカー。体重は肥満を察知するのによい。血圧は食生活や遺伝が関係しています。そして、今回は血糖を紹介します。

血糖と関係する病気は、あまりにも有名な「糖尿病」。これは血液中の血糖(ブドウ糖)が増えすぎた状態が続く病気です。食事で摂取した炭水化物はブドウ糖として小腸で吸収され、血液で全身に-。

すると、膵臓(すいぞう)からインスリンというホルモンが分泌されます。このインスリンの働きで、ブドウ糖は筋肉や肝臓、脂肪組織などに蓄えられ、身体を動かすときには血液でブドウ糖が全身に運ばれ、筋肉などでエネルギー源として使われるのです。

ところが、血糖値を下げる働きをするホルモンはインスリンだけです。糖尿病では、このインスリンが分泌されていない「インスリン分泌低下」と、インスリンが分泌されていても効果が発揮されていない「インスリン抵抗性」が影響して高血糖になるのです。

糖尿病には「1型糖尿病(インスリン分泌低下)」と「2型糖尿病(インスリン抵抗性)」があり、約90%を占めるのが食べ過ぎや運動不足などの生活習慣の乱れが原因で起こる2型糖尿病。そして、残り約10%が、ウイルス感染や免疫障害が原因と考えられる1型糖尿病です。

糖尿病の怖いところは多くの合併症です。放っておくと失明に結び付く「糖尿病網膜症」、人工透析が必要となる「糖尿病腎症」、足の切断にも結び付く「糖尿病神経障害」など。だからこそ、生活習慣の改善が不可欠なのです。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)