コロナ禍とあって生活習慣病が次第に悪化する、という方が多い。生活習慣を改善するには「簡単な記録を取るようにしましょう」。

例えば、習慣が実行できたならカレンダーに美しいカラーで丸を付けたり、手帳に丸を付けたりするだけで、達成感や自己肯定感を持つことができ、習慣化がスムーズにいく人がいます。そういうタイプの人は、積極的に記録を付けて行きましょう。

実際、私の患者さんで毎日のウオーキングの歩数を記録しただけで、格段に自己肯定感のあがった人がいます。1万歩に達していないことが夕方に分かった時などは、夕食前にあと10分ウオーキングにでかけるくらいになりました。1日1万歩を超えるのが、楽しくてしかたがないようです。その逆に、1万歩に達していない日があると、とにかく悔しいので、「何があっても」という気持ちになるのです。

この患者さんは、ウオーキングの習慣がしっかり身についたことで、生活習慣病を克服することができました。それは健康面のみならず仕事面にも大きく影響し、どんどん出世されて社長にまでのぼりつめました。好循環になった良いケースだと思います。

記録をつけるのは、カレンダーや手帳とは限りません。今は、スマートウオッチやスマートフォンのヘルスケア系アプリを使うのもいいでしょう。自分に一番合う記録方法で歩んでください。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)