■認知症になる前に手をうつ

今も内科外来をやっています。認知機能の低下が心配される人が増えてきました。高齢者では、水の出しっ放しや買い物に行ったのに買い忘れなどのうっかりミス。50、60代の比較的若い世代の患者さんにも、仕事の段取りが悪くなった、ひらめきが少なくなった、ミスが多くなった、という声が目立っています。

■主観的認知障害

認知症になる前には、軽度認知障害(MCI)という段階が知られています。検査では年齢相応の認知機能の低下が認められるものの、日常生活への影響はほとんどなく、認知症とは診断できない状態をいいます。このうちの10~15%が、認知症に移行すると言われています。

さらに、軽度認知障害の前に、主観的認知障害という状態があります。認知機能の低下は認められないけれど、自分では脳の衰えを感じているというものです。

映画俳優の名前が喉元まで出ているのに「アレ、アレ、アレ」としばらく答えが出ない。10桁程度の電話番号は復唱できたのに、2回、3回に分けないと覚えられなくなった。仕事に支障はないが、効率が悪くなった、などが主観的認知障害にあたります。

■慢性炎症を防ぐ野菜

さあどうしたらいいのか。認知症は、慢性炎症が原因となっていると言われるようになりました。それを防ぐためには、抗酸化力のある野菜を食べることが大事です。そしてもうひとつ大事なのは、コグニサイズです。明日は、このコグニサイズについてご説明します。