■迷った時はボディーランゲージがもの」を言う

前回、「メラビアンの法則(7-38-55ルール)」についてご紹介しました。人がコミュニケーションを図る際、言語7%、聴覚38%、視覚55%という割合で影響を与えているというものです。

ぼくはこのルールを人生の生き方にも応用しています。39歳で病院長となってからは特に、頭の中にいつも染み込ませてきました。

■相手へのあたたかな思いを体で示す

ぼくは今も緩和ケア病棟で、末期がんの患者さんの回診をしています。患者さんがベッドの縁に腰をかけていたりすると、「ごめんね」と言って隣に座らせてもらいます。

同じ方向をむいて、わずかに触れ合って座っていると、不思議と話しづらいことも話しやすくなります。患者さんを大切に思うぼくの気持ちも、うまく伝わるように思います。

信頼関係を築くためには、非言語的コミュニケーションが93%。ぼくの声のトーンやたたずまいが、患者さんにとって大事なのだと感じます。

2人並んで座り、窓の外の八ケ岳を見ながら、

「やり残したことはないですか」などと聞いてみると、「もう1回家に帰って身の回りの整理をして、女房にお金の事なんか伝えておけば、だいじょうぶ。先生ありがとう。大変な人生だったけど、けっこう面白かったよ」。なんて、自分の人生を振り返ってくれたりします。

■非言語コミュニケーション

家庭の中でも、地域においても、ビジネスの世界でも同じです。非言語コミュニケーションが大事だということを忘れないようにしましょう。