出勤せずに自宅で仕事ができるリモートワークが普及している。たとえば、朝9時から夕方5時までパソコンを立ち上げているのが出勤のサイン。オンライン会議がなければ、パジャマのままでもOK。成果さえ上げれば問題はないというケースもある。

杏林大学名誉教授の古賀良彦医師は「自分なりの時間設定でリモートワークができる場合、生活が不規則になる方がいます。生活リズムが崩れ生体リズムが乱れると、便秘や不眠につながり、それらの症状に悩む方は少なくありません」と話す。産業医として会社員の心身の不調を数多く治療している経験談だ。

睡眠は生体リズムと連動し、朝起きて夜眠るため、睡眠ホルモンの分泌や自律神経の働きを整えている。また、大腸の働きには副交感神経が関係するため、運動不足で生体リズムが乱れると便秘になりやすい。ストレスで交感神経が優位なときにも、便秘につながる。それを解消するには、リモートワークでも規則正しい生活を心掛けることが大切だ。

「不規則な生活を改善するには、起きる時間と寝る時間を一定にすることが基本です。時間を決めて、起床時間と就寝時間を記録することから始めてみてください。加えて、1日3食をなるべく決まった時間に食べるようにすると、生体リズムが整いやすくなります」

日によって勤務時間が昼夜逆転になる人は、時間の変動に合わせて起床・就寝時間、1日3食を一定にするように心掛けるとよいそうだ。リズムを意識しよう。