気分が落ち込んだときの気晴らしは人それぞれ。スマートフォンのゲームやドラマを楽しむなど、ちょっとしたストレス発散法は心の健康を守るために欠かせない。ただし、自宅で多量飲酒はよくない。

「リモートワークの普及で朝から飲酒をするなど、アルコール依存症に陥りやすい環境があります。自宅の飲酒で歯止めがかからず、飲み過ぎてしまう人は、注意していただきたいと思います」と、精神科医の杏林大学名誉教授・古賀良彦医師は警鐘を鳴らす。

世界的に見ても、コロナ自粛に伴うアルコール関連死が増えたと報告されている。アルコール依存症に陥り、重い肝臓障害などで亡くなる人が増えたのだ。

「アルコール依存症は、自力で治すことはできません。早い段階で医療機関の治療を受けることがなによりです。そうなる前に、多量飲酒でのストレス発散はやめましょう。飲むより、気の置けない人とのおしゃべりを楽しみましょう」

コロナ予防に気をつけながら、夕闇の中、のれんをくぐってちょっと一杯。美酒に酔いしれるのはほどほどに、気の置けない仲間や友人とマスク越しでも会話を楽しむ。もちろん、オンラインの画面越しに話すというのも方法だろう。

「人との触れ合いは、ストレス発散や依存症を防ぐために役立ちます。コロナ自粛でご無沙汰していた友人に、久しぶりに連絡を入れてはいかがでしょうか」

話して笑って気晴らしを。