体重を気にしつつ、秋は栗をたっぷり使ったモンブランなどをつい食べたくなる。総カロリーの帳尻合わせで、食事代わりとしてスイーツに舌鼓。このような食べ方をしていると脂肪肝になりやすいという。

「スイーツの糖質は中性脂肪に変わり、肝臓に脂肪がたまる脂肪肝につながりやすいのです。アジア系民族は体質的に非肥満者に脂肪肝になりやすい傾向があり、標準体重の4人に1人は脂肪肝といわれています」と、東邦大学医療センター大橋病院消化器内科の渡邉学教授は指摘する。

脂肪肝は、余分な中性脂肪が肝臓にたまった状態。本来、肝臓は中性脂肪の貯蔵庫ではないため、脂肪肝の状態が続くと炎症が起こり、非アルコール性脂肪肝炎へ移行することがある。肝炎になっても自覚症状はほとんどない。もちろん、脂肪肝の段階でも無症状。標準体重もしくは痩せ気味であれば、まさか脂肪肝になっているとは考えにくいだろう。そんな人たちの脂肪肝が目立つようになっているのだ。

「健康診断では、血液検査の肝機能が正常値でも、超音波の画像診断では脂肪肝になっている人がいます。ALTやASTが、『30-40U/L』の数値に近い方は、超音波検査も受けましょう」

血液検査の肝機能数値は、ALT(GPT)30U/L以下、AST(GOT)男性42、女性23U/L以下、γ-GTP男性64、女性32U/L以下が正常値とされる(2022年基準値)。だが、ALTやASTが正常値上限に近い場合は、脂肪肝の恐れがある。早期発見と食生活の見直しが肝心といえる。