運動不足解消や趣味のスポーツで休日に身体を動かしたいが、膝痛を抱えていると思うようにならない。膝痛の代表的な病気の変形性膝関節症は、国内患者数が約2000万人と推計され、加齢とともに患者数は増えている。

変形性膝関節症は、運動療法や薬物療法、重症の場合の手術療法など治療法が確立されている。が、運動をしたときに少し膝が痛むぐらいでは、わざわざ病院へ行くのも気が引ける。市販薬で様子を見るのが一般的な話だろう。

「週末の運動で膝に痛みが生じ、市販の消炎鎮痛剤を使用して数日でなんとか痛みが引いた場合は、まずは運動量を減らすことを考えましょう」と、東邦大学医療センター大森病院人工関節治療センターの中村卓司センター長。膝痛の診断・治療を数多く行う。

「運動後に膝に痛みが生じる場合、運動量を7割程度にとどめれば、継続しても大きな故障は避けられます。運動の前後にストレッチを行い、膝が痛まない程度の運動量にとどめましょう」

たとえば、草野球のピッチャーで50球を投げて膝が痛くなった人は、35球にとどめる。テニスでは3ゲームを2ゲームまでにするなど、膝の痛みが長引く前に運動をやめるのがコツ。

「運動中に膝に痛みが出なければ、そのスポーツや運動量を継続することは問題ありません。痛みが出ると故障につながるので、無理しないようにしましょう。運動中に膝に痛みが出る場合、または痛みが1週間以上も消えない場合は、整形外科を受診して原因を突き止め、早めに適切な治療を受けることも大切です」と中村医師はアドバイスする。