行楽の秋にピッタリの「全国旅行支援」で旅を満喫し、平日は仕事をバリバリとこなす。そう言いたいが、ひどい倦怠(けんたい)感や食欲不振などに襲われ、体調不良に悩まされることがある。

鉛のように重い身体を引きずって、ようやく医療機関を受診したものの、医師からは「血液検査や画像検査では、特に異常は見られませんね」と告げられる。明らかに体調は悪いのに原因不明。この状態を引き起こす理由のひとつに、「コロナ後遺症」がある。

「新型コロナ感染症後に継続して後遺症が生じる方もいれば、新型コロナの症状が完治して数カ月後に、突如として後遺症に襲われる方もいます」とは、「フローチャートコロナ後遺症漢方薬」(新興医学出版社)の著者・新見正則医院(東京都千代田区)の新見正則院長。免疫学者で西洋医学と漢方医学を融合した医療を実践し、さまざまな症状の医療に取り組む。

「新型コロナが治ってずいぶん時間がたってから後遺症に襲われると、周囲の人は後遺症とは思ってくれない。ご本人はつらいですよ。優秀で重要な案件を手掛け、仕事が休めないような人も発症しています」

コロナ後遺症のメカニズムは、まだよくわかっていない。季節の変わり目の体調不良と重なると、コロナ後遺症とますます思われにくいことがあるのだ。

「コロナ後遺症には、漢方薬の加味帰脾湯(かみきひとう)が役立ちます。市販薬でも購入できます」と新見院長はアドバイスする。