睡眠時間は個人差があり、一概に何時間睡眠がよいとは言えません。

ぼくは医学部受験を目指した17歳から60代前半まで4時間半睡眠を続けていました。105歳まで生きた日野原重明医師も、睡眠時間は4時間半だったと聞いたことがあります。

<ショートスリーパー>

こうしたショートスリーパーは、アメリカの睡眠医学会のデータで男性の3・6%、女性の4・3%といわれています。日本のデータでは、人口の0・5%ということなので、さらに少数です。

近年は、ショートスリーパーかどうかを決める遺伝子もいくつか見つかっています。ショートスリーパー遺伝子をもつ人は、短時間睡眠でも健康に支障なく、高いパフォーマンスを発揮できます。

しかし多くの場合、やむを得ず短時間睡眠になっており、睡眠負債を抱えながらがんばっているのだと推測されます。

<「平日の睡眠時間」-「休日の睡眠時間」=睡眠負債>

あなたの睡眠負債はどれくらいでしょう。休みの日、目覚まし時計を使わないで自然に目覚めるまでの睡眠時間を何回か測定してください。その平均があなたの必要睡眠時間です。平日の睡眠時間が6時間で、休日の睡眠時間が7時間半なら、睡眠負債は1時間半ということになります。

睡眠負債は大きいほど、そして長期間続くほど健康に害を及ぼします。そうならないためにも、まずは睡眠負債の有無を知り、なくしていくことが重要です。(医師で作家・鎌田實)