睡眠中は副交感神経が優位になっていて、起きてしばらくすると交感神経が優位になります。交感神経が優位になると、腸の動きが悪くなるので、スムーズに排便できなくなります。交感神経に切り替わる前に排便を促すことが重要です。

排便を促すには、起きたらコップ1杯程度の水を飲むことです。水を飲むことで胃と結腸に反射が起こり、排便が促されます。排便により自律神経が整い、日中を活動的にする交感神経が優位になります。

<朝ごはんをたべよう>

自律神経を整えるには、朝食を食べることも大事です。腸に食べ物が入ってくることによって、副交感神経が優位な腸から交感神経が優位な腸に切り替わり、気持ちよく1日を過ごすことができるでしょう。

自律神経のリズムは時間帯によって変化します。日中の活動期は交感神経優位、夜の休息時や、就寝時は副交感神経優位になります。このリズムが乱れると、腸内環境にも悪影響を与えます。

とくにコロナ禍以降、精神的なストレスが高まり、イライラがまん延しているように思います。家から出ない生活でメリハリがなくなり、やる気が出ないという人も目立ちます。

そんなときこそ、リラックスする副交感神経と、やる気がみなぎる交感神経が、1日のうちにバランスよく整うことが重要です。筋トレやストレッチで体を動かしたり、ゆったりとした音楽を聴いたり、笑いの多い生活を心がけることで、自律神経が整います。(医師で作家・鎌田實)