腸には腸内細菌がすみついています。腸内細菌の数はおよそ100兆~1000兆個で、種類は約1000種類、重さにして約1~2キロといわれています。
<腸内フローラを形成する3つの腸内細菌>
腸内細菌は大きく、善玉菌と悪玉菌、そして日和見菌に分類され、それぞれの仲間どうしが集まって、腸内フローラ(腸内細菌叢=ちょうないさいきんそう)を形成しています。
善玉菌は免疫力を高め、発がん物質を分解し、体によい物質をつくって代謝をよくします。
一方、悪玉菌は体に必要な菌ではあるのですが、増えすぎると腸を腐敗させて、発がん物質などをつくり出します。
日和見菌は優勢なほうに味方する菌です。善玉菌が優勢なら善玉菌に、悪玉菌が優勢なら悪玉菌に味方します。
善玉菌が優勢な腸内フローラになると、日和見菌が善玉菌の味方につき、悪玉菌が増えるのを抑えるので、腸内環境がよくなります。理想的な腸内細菌の比率は、善玉菌が2、日和見菌が7、悪玉菌が1といわれています。
<運動不足が悪玉菌を増やす>
悪玉菌を増やす原因の1つに運動不足があります。家の中で座っている時間が長いと、腸のぜん動運動が鈍くなるので、便秘の原因にもなります。そこで、腸の働きをよくして自律神経を整えるために運動が大事になってきます。
次回は、腸活に効果的な運動とストレッチをご紹介します。(医師で作家・鎌田實)