抗酸化物質は野菜やスパイスなどに豊富に含まれる植物性の成分です。腸活によるがん予防だけでなく、脈活のためにも野菜を食べることは大事なのです。

<野菜のカリウムが塩分のとりすぎを防ぐ>

野菜に多く含まれているカリウムは、体の中でナトリウム(塩分)と置き換わって体外に排出する効果もあり、高血圧の原因の1つといわれる塩分のとりすぎを防いでくれます。

ときどき「減塩のしすぎはよくない」というフェイク・ニュースが流れてきますが、こういう情報に振り回されてはいけません。確かに、塩分に左右されない食塩非感受性高血圧の人もわずかにいます。しかし、大多数の人はやはり塩分摂取量が少なくなれば、血圧も下がります。

ぼくが患者さんに生活指導する場合は、男性8グラム未満、女性7グラム未満を1日の塩分摂取量の目標にしています。

<おいしく減塩のコツ>

塩分量を減らすには、だしのうまみを利用すると、塩味が少なくても満足感が得られます。みそ汁も野菜をたっぷり入れた具だくさんのみそ汁にすると、汁が少なくなり塩分を減らせます。

「しおナイン」というおもしろい健康食品があります。海藻のぬめり成分とタマネギパウダーに含まれるアルギン酸の働きで、摂取した塩分が体の内部に吸収されず、便としてそのまま体外に排出されるという優れモノ。塩分が多かった日など、これを1日3回とると1・5グラムの塩分の吸収を抑えてくれます。(医師で作家・鎌田實)