血管の老化を防ぐ物質として最近注目なのが、NO(一酸化窒素)です。
<グーパー運動が効果的>
体内でNOを増やすには、手を強く握ることが有効。手を握って前腕の血流が低下し、再び流れ出すときに、血管内皮細胞からNOが分泌され、血管を拡張させて血圧を下げます。
これはカナダ・マクマスター大学准教授で高血圧治療の専門医でもあるフィリップ・ミラー博士が考案した「ハンドグリップ法」が根拠になっていますが、ぼくが握力低下の防止のために提唱しているグーパー運動(「疲れない 太らない ボケない 60代からの鎌田式ズボラ筋トレ」所収)を応用してもよいでしょう。
手でなくても、筋肉を収縮させてから血液が再び勢いよく流れればNOは放出されるので、スクワットなどの筋トレでも同様の効果があります。その際、腰を落とした時に、2~3秒静止して血流を一時的に止めるのがポイントです。
また入浴して体が温まると血管が拡張して血流がよくなりますが、このときにもNOが放出されます。そして、夜寝る前に「むくみ取りのポーズ」というストレッチを行うと血管の老化予防の効果が上がります。
<むくみ取りのポーズ>
<1>タオルを用意し、あおむけ。ひざは90度にまげる。
<2>股関節の上にひざがくるように右足を曲げ、足の裏にタオルをひっかける。
<3>右ひざをできるだけ上に伸ばし、10秒キープ。
<4>左ひざも同様に。
<5>慣れてきたら両足でもやってみよう