身体活動量よりも食べる量が多ければ当然太る。だが、仕事が忙しいと運動習慣を維持するのは難しく、リモートワークでは身体をほとんど動かさないことにもつながる。

「無理に運動習慣を持ったとしても、継続しなければ意味はありません。まずはご自身の身体状態と状況を客観的に把握することから始めましょう」と、東邦大学医療センター佐倉病院糖尿病・内分泌・代謝センターの齋木厚人教授。高度肥満症治療のエキスパートである。

「毎朝晩1日2回の体重測定を記録することを習慣化しましょう。同時に、その日、何を食べたか、どのような出来事があったのか、日記のようにつけてみましょう」

たとえば、身長170センチで体重が102キロあると、BMI(体重キロ÷身長メートルの2乗)が「35」になり、高度肥満と判定される。齋木教授は、経験豊富なスタッフによるチームを形成し、胃を小さくする外科治療を含めた多角的な肥満症診療を実践している。

「食生活の見直しに取り組み、仮に102キロの人が99キロになり、健康障害が少しでも改善したことを称賛とともに客観的なデータで示すと、それが成功体験になるのです。減量において成功体験はとても大切です」

逆に、ちょっと体重が増えたときも、客観的なデータによって、仕事のストレスなど原因を把握しやすい。

「無理なダイエットも筋肉が減る、骨粗しょう症になるなどの不健康につながります。客観的なデータで健康的な体を取り戻しましょう」と齋木教授は話す。