ダイエットの基本は減量だが、その方法は難しい。朝食を抜き、昼はそばを食べ、夕食は大盛りの焼き肉とご飯といったことはあるだろう。1日2食で1日3食より食べる回数は少ないのに、体重は一向に落ちる気配がない。その理由はなにか。

「1日2食の空腹状態で一気に昼食や夕食を食べると血糖値が急激に上がります。それを正常値に戻すため、血糖値をコントロールするホルモンの一種・インスリンが、多量に分泌されることになることが関係します」と、東邦大学医療センター佐倉病院糖尿病・内分泌・代謝センターの齋木厚人教授は指摘する。

食後の血糖値が急激に上がり、インスリンが多量に分泌されると余分なブドウ糖は中性脂肪に変わり、内臓脂肪としてたまりやすい。内臓脂肪は、インスリンの効きを悪くする物質を放出するなど、生活習慣病の後押しをする。1日3食分を1日2食にしてガッツリ食べると、悪い働きをする内臓脂肪がたまりやすくなるのだ。

「1日3食1人前ずつ、ゆっくり食べましょう。よく噛んで食べることを意識してください。食べる順番も大切です。最初は、野菜類などのビタミン、ミネラル、食物繊維、同時に魚や肉類などのタンパク質も食べましょう。タンパク質は筋肉を養うために欠かせない栄養素です。最後がご飯などの炭水化物。控えめの量を心がけましょう」と齋木教授はアドバイスする。

ご飯を食べながらおかずではなく、野菜やおかずを食べた最後にご飯、といった順番を意識しよう。