腸の中には、体にとって良いはたらきをする「善玉菌」とその逆の「悪玉菌」があるという。しかし、そのどちらにも属さない「日和見菌」と呼ばれるものもあって、じつに多くの腸内細菌によりかたちづくられているのが「腸内環境」だ。

「慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ」(出版文化社)や「慈恵大学病院の食べる『免疫力』」(世界文化社)などの監修者の1人、東京慈恵会医科大学付属病院栄養部の管理栄養士、赤石定典さんはこう説明する。

「その様子は、さながら花畑(フローラ)とたとえられて“腸内フローラ”と呼ばれます。腸内環境が乱れると、悪玉菌が出すアンモニアや硫化水素などの不快な成分が、臭いを発しますので、おならが臭い。排便状態も悪くなることで便秘や下痢を引き起こすようになります」

腸内環境を知る手だてとして簡単なことは、自分の便をよく観察するといい。

「排便の頻度、便の硬さやニオイ、色などを観察することが大切です。頻度としては週3回以上、定期的にあれば良好ですが、定期的でも状態が硬くていきむ場合などはよくありません。つまり正常な便というのは、なめらかで軟らかく、そうではなくてコロコロと硬い、ゴツゴツしていたら便秘傾向、泥状や水様便などは下痢の傾向というわけです」(赤石さん)

“色”については、たとえば赤い便、あるいは白い便は要注意だ。それらは出血や胆のうの病気などの疑いがあるので、ぜひ病院を受診してほしい。