「LOH症候群(男性更年期障害)」は男性ホルモンの「テストステロン」の低下により、心身にさまざまな症状が出ている病気。治療の基本は「テストステロン補充療法」で、国内で行えるのは「筋肉注射」と「クリーム(塗り薬)」の2つの治療です。
筋肉注射は2~4週間ごとに行います。注射をしてからおよそ24時間後にテストステロンの血中濃度がピークに達し、遅くとも2、3日以内には効果が表れ始めます。ただし、ホルモン補充を始めた当初は効果を感じにくい場合もあり、3カ月ほど継続することで効果が表れることもあります。
筋肉注射は保険診療での治療が可能で、一時的に体内のテストステロンが非常に高くなることで、「ホルモンが切れてきた」と感じる方もいます。また、2~4週間ごとの通院が必要となるため、その点に負担を感じる方もいます。
一方、クリームは、基本的に朝1回、起床時にテストステロンとして約25ミリグラム程度を皮膚の柔らかいところに塗ります。それは腕の内側、下腹、モモの裏側などですが、一番良いのは陰嚢(いんのう)の皮膚です。陰嚢は、皮膚と毛細血管の距離が短く、薬の吸収率が良いのです。メリットは、テストステロンが午前中に高いという日内変動にシンクロして使用でき、注射とは違い極端に血中テストステロンを上げることがありません。ただし、毎日塗らなければならない、また保険が効かない点がデメリットでしょう。
テストステロン補充療法も薬物療法なので、副作用はつきもの。その副作用については、3回後の20回目に取り上げます。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)

