今まで全然なかったのに突然頻拍が起こってくる場合や、若い頃からあったが数年に1回、短時間ですぐに楽になるので放置していたという人がいます。冷たい水を飲んだり、息をこらえたり、力んだりすると動悸(どうき)が治るなど「止め方」を知ってる人もいて、軽い持病だからと思っている人もいます。

ある医学研究では、頻拍がない人でも4人に1人は、房室結節回帰性頻拍の余分な電気回路を持っているとの報告があります。頻拍がない人にも突然頻拍に見舞われることがあるということです。突然頻拍になったり、軽かった発作が頻繁になって止まりにくくなるのはどうしてでしょう?

ストレスと白髪が関係あることはよく言われる話です(私も白髪で困ってます)。実は、強いストレスを長時間強いられると、心臓の筋肉組織も硬くなったりスジ肉になったりダメージを受けることがわかっています。不整脈で言えば、心臓内の電気の流れやすさが変化して、余分な回路に電気が流れ込みやすくなり頻拍が起きるのです。常に肉体的ストレスにさらされる職業や勝負の世界で活躍するプロスポーツ選手などに、このタイプの頻拍で苦しんでいる人がいます。

北海道の、とある町の話です。漁業が一番の主力産業で、多くの方が朝早くから過酷な冬まで漁業に携わっています。その漁師さんに房室結節回帰性頻拍が多く見られました。ある意味、職業病ではないかとさえ思えました。

プロ野球セ・リーグの往年の大投手も同様です。守護神として、想像できないほどの緊張にさらされていました。突然早鐘のように悲鳴をあげる心臓を抱えて、時に大事な勝ちを逸していました。当時は最先端治療であったカテーテルアブレーション手術を受けることで、その後も活躍を続けることができました。