“身体に優しい手術”として人気のあるロボット手術。それは当然ですが、そのほかにも大きなメリットがあるから人気になっているのです。肺がんのロボット手術で実際に感じている「ロボット手術のメリット」を紹介します。

私が最大のメリット<1>にあげるのは、「術後の疼痛(とうつう)がほぼない」ことです。まず、術後の鎮痛剤の使用量が他の手術を受けた患者さんに比べてグンと少ない。また、看護師は患者さんから痛みの程度を直接聞いて、日々チェックしています。ロボット手術を受けた患者さんの「痛みの訴えは少ない」と、報告されています。

胸腔鏡手術を受けた患者さんで痛みを訴えられるのは、手術創、特に、肋骨(ろっこつ)にかなり負担がかかっていたときです。それでも、開胸手術に比べると胸腔鏡手術の痛みの訴えは少ない。それが、ロボット手術では「術後の疼痛がほぼない」のです。

ロボット手術のメリット<2>は、「術者は繊細な手術ができる」点です。それは、3Dの画像に加え、術者が見たいところにカメラを持っていくことができるからです。術者にとって良いことは、患者さんにとっても大きなメリットです。

ロボット手術のメリット<3>は、「メスで切りたいところを正確に切ることができる」。術者の中には、メスを持つと震える人もいます。それでは切りたいところを正確に切ることができません。それを防ぐ“手振れ防止機能”が、ロボットのメスなどには付いているのです。

ロボット手術にはこのようなメリットがあるので、術者の腕の差は極めて小さい。だから、ロボット手術の術者は、皆さん、“ロボット・スーパードクター”。その可能性がロボット手術にはあります。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)