今後の優勝争いを戦う上で、前回の先発で3回8失点した巨人ドラフト1位の竹丸和幸投手(24=鷺宮製作所)の状態が気になっていた。ルーキーで開幕投手を務め、今試合前までで7勝8敗。十分過ぎるほどの活躍で、注文をつけるつもりはないが、優勝をするための主力投手という視点で見させてもらった。

巨人対ヤクルト 6回、力投する巨人竹丸和幸(撮影・増田悦実)
巨人対ヤクルト 6回、力投する巨人竹丸和幸(撮影・増田悦実)

もともとオーバーハンドで真上から投げ下ろすタイプではない。スリークオーター気味で投げる投手だった。しかし、今はいい頃より、左ひじが下がっている。厳密に言うと、軸足にしっかりと体重が乗る前に投げにいってしまっている。だから下がっているというより、ひじが上がってくる前に上半身が突っ込んでしまう。下がっているというより、上がりきる前に投げ急いでいるように見えた。

こうなると持ち味でもあるクロスファイアの真っすぐの制球力が落ちる。今試合でも厳しく投げようとすると引っ掛け、それを気を付けると甘くなるというパターンがあった。

初回無死一塁、サンタナに対してカウント2-0から内角の真っすぐを続けたが、引っ掛け気味でボールの後、抜けて四球。先制点になった2回1死二塁、内山に対しても初球に内角を狙って真っすぐがボール。2球目は厳しいコースに決まったが、ストライクゾーンに入ったためレフト前に打たれた。

巨人対ヤクルト 2回表ヤクルト1死三塁、内山壮真に先制適時打を浴び、浮かない表情の竹丸和幸(撮影・鈴木みどり)
巨人対ヤクルト 2回表ヤクルト1死三塁、内山壮真に先制適時打を浴び、浮かない表情の竹丸和幸(撮影・鈴木みどり)

このケースでは苦しいカウントから内角の真っすぐを続けて要求する岸田のリードも悪い。球審のストライクゾーンも狭かった。それでいて6回1失点は見事だが、元気のないヤクルト打線が相手だっただけに、手放しで復調したとは言いにくかった。

それにしてもヤクルトはどうしてしまったのか? サンタナは相変わらず球際の打球が捕れないし、捕手からのけん制でアウトにできたタイミングだが一塁手の沢井の走者へのタッチが甘くセーフ。

巨人対ヤクルト 3回裏巨人無死一塁、打者ボビー・ダルベックの時、帰塁する一塁走者泉口友汰。一塁手沢井廉(撮影・鈴木みどり)
巨人対ヤクルト 3回裏巨人無死一塁、打者ボビー・ダルベックの時、帰塁する一塁走者泉口友汰。一塁手沢井廉(撮影・鈴木みどり)

岸田に決められたバスターも、三塁手の伊藤が最初から送りバントだと決めつけていたように見えた。球審の判定に疑問は残るものの、無駄な四球も多かった。3回までで6失点。竹丸を楽にしてしまった。

巨人対ヤクルト 巨人に敗れ引き揚げるヤクルトナイン(撮影・増田悦実)
巨人対ヤクルト 巨人に敗れ引き揚げるヤクルトナイン(撮影・増田悦実)

調子がいい頃はノビノビ野球でうまくいっていたが、それだけで勝てるほどプロの世界は甘くない。初回無死一、二塁で3番の増田が初球の高めに浮いたチェンジアップを打ってショートゴロ併殺。もちろん、クリーンアップを打つバッターだけに打ちにいってもいいのだが、タイミングも合っていなかった。しっかりした技術の裏付けもなく、状況を見極める知識にも乏しい。増田はいい打者だと思うが、まだ経験豊富な主力選手ではない。仕方ない部分もあるが、チーム状況を考えれば嫌な流れを作ってしまった。集中力を絶やさないように、手堅い野球に徹するべきだ。勢いがあるときはいいが、チーム状況が悪いときは基本に立ち返るような野球を実践し、乗り切ってもらいたい。(日刊スポーツ評論家)

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