台湾ウインターリーグに参加していた中日の6選手が帰国した。2年目捕手の加藤の素直な感想が妙に耳に残った。「12月はオフなので、行く前は正直少しイヤだった。でも本当に行ってよかったです」

 加藤はおとなしい性格。コミュニケーション能力が課題と自己分析している。今回は頑張った。集合初日に全投手と話し、食事会場でも積極的に投手と接した。それがバッテリーの呼吸につながったと振り返った。「殻を破りたい」と来季の飛躍を誓った。

 先月、U-23W杯で優勝した岸本も「この経験は宝」と言った。他球団の選手と話し、慣れない球場でプレーする。初めての食べ物に挑戦する。すべてが人間を磨いていく。

 中日は09年WBCで候補の全6選手が辞退した。前年の北京五輪で主力選手が故障したことに不満を持った落合監督の意向だった。国際大会はケガのリスクが高い。チームを預かり、成績に責任を負う指揮官としては「行ってほしくない」と思うのは自然だ。

 一方で選手はかけがえのない経験を得て帰ってくる。是か非かではない。「代表は誇りだから呼ばれたら応じるのが常識」で簡単にくくるのではなく、継続的な相互理解と議論が必要だ。落合GMの退団決定を受け、そう思った。【中日担当=柏原誠】