松坂大輔投手(37)が、5月20日の阪神戦(ナゴヤドーム)で中日テスト入団して移籍後2勝目を手にした。6回91球、3安打1失点の投球内容もだが、歓声が上がったのは2本のヒット。4回先頭で阪神才木の142キロの直球をレフト前に運ぶと感嘆の歓声が上がった。さらに5回には130キロのスライダーを強振。三遊間を抜ける強い球には、さらに大きな歓声がナゴヤドームを埋めた。

松坂は左前打を放つ(2018年5月20日撮影)
松坂は左前打を放つ(2018年5月20日撮影)

 自身プロ入り初のマルチ安打だったが、感動したのはファンだけでなかった。横浜高校の後輩・福田永将内野手(29)もその1人だ。

 「(松坂の打撃は)すばらしいです」。竜の主軸を期待される後輩は、ベンチや塁上から、見たバッティングフォームに目を奪われていた。「こんな雰囲気を作れる人はいない。試合で勝てそうな雰囲気を作ってくれる。打線にもいい影響が出ます」。レジェンドの醸し出すオーラに感嘆した。

 福田は昨年、打率2割7分1厘、18本塁打と和製主軸としての才能が開花しつつある。今季は開幕から5番を任されたが、不振から打順の降格、スタメン落ちも経験した。5月に入ってから復調して、20日現在、66打数23安打2本塁打10打点、打率3割4分8里と数字を残している。

中日福田(左)と松坂の打撃フォーム
中日福田(左)と松坂の打撃フォーム

 「僕もああやって打ちたい。僕は(体が)開いてしまう。ああいう閉じた感じで打ちたい」。松坂は、1球でも1イニングでも投げようとする。その姿勢を森監督は、若手投手陣へ波及することを期待している。打撃センスもあり、元祖二刀流とも言える松坂の打撃。今後ローテーション入りすれば、中日の和製主砲候補生をさらに開花させるかもしれない。【中日担当 伊東大介】

お立ち台でポーズを決める、左から、京田、松坂、福田(2018年5月20日撮影)
お立ち台でポーズを決める、左から、京田、松坂、福田(2018年5月20日撮影)