プロ野球番記者コラム

やり遂げる心 指導者は「勝敗」以外でも戦っている

<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム:CATCH!!>

<ソフトバンク1-0日本ハム>◇20日◇ヤフオクドーム

8回裏、投手交代を告げるためにベンチを出る日本ハム栗山監督(撮影・今浪浩三)
8回裏、投手交代を告げるためにベンチを出る日本ハム栗山監督(撮影・今浪浩三)

あきらめない気持ち、やり遂げる心…。最後の最後までそんな気持ちを持続させることが勝敗を分けていくのだろう。1点を守りきって、ソフトバンクが日本ハムを下した。V奪回を目指す工藤ホークスと、最後の最後までCS入りをあきらめない栗山ハム。「目標」を失わなければ、緊迫した試合をファンに提供できる。

試合前の練習中。三塁側ベンチ裏でばったり日本ハム栗山監督に出くわした。「何とか最後まで頑張ります」。V戦線から早期離脱しても闘争心は失われていなかった。当然だろう。指揮官が敗戦を前提に戦うことはない。読書家の栗山監督に聞いてみたいことがあったので、尋ねてみた。今季限りで引退する田中賢に「木のいのち 木のこころ」(西岡常一著)という本をプレゼントしたという。世界最古の木造建築である法隆寺の改修を担当した宮大工の話である。

「『木のいのち 木のこころ』ですね。はい。いろんな選手にあげているんですけどね」。宮大工の修行は何年で一人前になるかわからない。人によっては10年以上たってもなれない場合もあるという。それだけ厳しくつらい日々を送る仕事だ。弟子入りから数年は、ひたすらカンナやノミなどを磨き続け…。まあ、そんな内容なのだが、同本を読んだホークス内川がバットを磨いて試合に臨んでいることを伝えると「僕らはしっかりと、そういうことを選手たちに教えなくちゃいけないと思います。大事なことだと」。栗山監督は真剣なまなざしで答えてくれた。

勝っても、負けても、やるべきことをやる。伝えるべきことを伝える。息詰まる熱戦の裏で、指導者は「勝敗」以外でも戦っている。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

試合前、記者に囲まれるソフトバンク工藤監督(撮影・今浪浩三)
試合前、記者に囲まれるソフトバンク工藤監督(撮影・今浪浩三)

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