昨年セ・リーグ新人記録を更新する159安打を放った阪神近本光司外野手。

2年目のジンクスを感じさせない、ハツラツとした動きをキャンプで見せ続けている。今季の打順として想定されているのが2番だ。昨年はシーズン通して9本塁打を放ち、今季は2ケタアーチの期待がかかる。

長打力のある2番打者。阪神では長年にわたり、いなかったタイプの存在だ。スタメンで2番に入った阪神の打者を全員合わせて2ケタ本塁打を上回ったのは、1984年(昭59)の10本が最後。実に36年前にさかのぼる。弘田澄男7本、平田勝男、北村照文、吉竹春樹各1本。さらに個人が2番で先発した試合だけで2桁となると、71年藤田平10本が最後。49年前というから半世紀近くも昔の話だ。なお豪打で日本一を飾った85年は、先発2番打者合計は9本塁打だった。弘田5、北村、吉竹各2本。リードオフマン真弓からバース、掛布、岡田へつなぐ役割に徹した形だった。

昨季は巨人の坂本勇が、2番で34本塁打を放ちMVPを獲得している。小柄な2番打者、近本がスタンドに放り込む姿を夢見ながら、シーズン開幕を楽しみにしたい。【記録室・高野勲】