新年早々に体力の衰えを痛感した。中日大野雄大投手(32)が5日に自主トレを公開。京都外大西高時代から続ける新年恒例の行事、京都・大文字山登山だ。銀閣寺から約40分間の山道を登って頂上で取材する。

昨年初参加したときは、遅れることなく登れたが、今年は違った。息が切れ、最後の100段ほどある階段では、足が前に進まないことを初めて経験した。コロナ禍でマスクをしていたから呼吸が苦しくなった…、3日に根尾の成人式取材で岐阜・飛騨市まで遠征したから…。言い訳が頭を巡ったが、元ワンゲル部で、「歩く」「登る」には自信があっただけにショックだった。

「高校時代は最初から最後まで走っていた」。大野雄は途中の坂道もダッシュで登り、最後の階段も京都外大西野球部の後輩たちと軽々と駆け上がって見せた。「まずはリーグ優勝。それから日本一。3年連続でタイトルを何か取れば、チームの勝ちに必ず貢献できる」。沢村賞左腕は頂上で新年の誓いを口にした。

大野雄が16歳から大文字山登山を続ける理由を話した。「原点。京都は22歳まで過ごした。シーズン中もしんどいことだらけ。まずはしんどいことからスタートしようということです」。

新型コロナウイルス感染拡大は収まらず、モニター越しなど、特殊な取材環境も続いている。僕にとっても不透明なシーズンを乗り切るための試練だったことにしておこう。大文字山の下り坂で「大」の字に滑ってこけたことを忘れて。【中日担当・伊東大介】