さあ、今日からはみんなで「侍を語ろう」! 3月のWBCで世界一奪還を目指す侍ジャパンに、各界の著名人がエールを送る。先陣を切るのは、サッカー日本代表の森保一監督(54)。決断力とチームの結束で世界一経験のあるドイツとスペインを撃破し日本列島を熱狂させ、世界を驚かせた指揮官は、エンゼルス大谷に注目。二刀流で起用する「戦術大谷」案を披露した。【取材・構成=浜本卓也】
<<森保監督は明らかに困惑していた。日本中を熱狂させたワールドカップ(W杯)から帰国後は取材ラッシュ。勘の良い指揮官は、今回の取材はいつもと様相が違うと察した>>
-今日はサッカーじゃなく野球、WBCの取材です
森保監督 知識が浅すぎて…どうしようかなと…。
-WBCを見たことは
森保監督 テレビで見てますよ。(09年大会の)イチローさんの時とか、すごく話題になってましたし。なかなか結果出ない中でも、原監督が使い続けて、最後に決勝打というのは、すごく印象に残ってます。(13年大会監督の)山本浩二さんは広島でお世話になった。国を背負って戦うという意味では、注目しているところはあります。
<<W杯開幕前、日刊スポーツはサッカー日本代表へのエールとして栗山監督にインタビューした。「常識を打ち破る可能性がある」と久保建英を注目選手に挙げた。今度は森保監督に、侍ジャパンで気になる選手を聞いた。声のトーンが上がった>>
森保監督 メディアの情報もあまり深掘りしていないですけど、大リーグの選手も続々と参加表明ということを聞きます。大谷翔平さんは1回、ロシアW杯の後の日本スポーツ大賞でお会いさせていただいた。あいさつ程度しかしてないですけど、サイズ感もオーラもすごくあって、かつ日本人として礼節を持ち合わせていて、こういう選手は世界で日本人の評価を上げてくれるといいのになって思ってました。そういう意味では、大谷さんはすごく注目しているところではあります。でも、誰でもそこ、いきますよね…。まだ(勉強不足で)…すいません、これからいろいろと。
-栗山監督は「翔平ってFWもGKもできそうですよね(笑い)」と表現されていました。メジャーで二刀流で活躍する大谷をどう思う
森保監督 高校野球まではエースで4番は見たりしますけど、プロの世界で打撃がスペシャル、投手としてスペシャルとか本当にすごい。「常識を覆す」というところ、大谷さんが持っている能力を栗山監督が認めて、常識を覆す起用をしているというところが、大谷さんの良さであったり、魅力を最大限、引き出しながら生かせる。ファンの方々にも、魅力あるものを提供している。監督の決断はすごいなと思います。
<<的確な選手交代と戦術で世界の強豪を倒した森保監督。WBCの取材で、聞いてみたい質問があった>>
-もし侍ジャパンの監督だったら、大谷の起用法は投手? 打者? もしくは二刀流?
森保監督 勝てるんだったら両方、使う。戦術の先にあるのは勝利だと思うので。勝利から逆算して戦術があると思いますし、はい。勝てるんだったら、その1人の選手で勝てると思えば生かすことをやる。戦術メッシと一緒で(笑い)。
<<即答だった。森保監督はFWメッシを生かすチーム作りでW杯を制したアルゼンチンの戦いぶりを「戦術メッシ」と表現していた。MVPに輝いたメッシは大量のゴールを決めるだけでなく、アシストも量産するなど強烈な個の能力を誇る。そんな伝説的英雄に重ねるほど、大谷は規格外と感じていた>>
<<森保監督は、圧倒的な突破力を誇ったMF三笘を切り札として後半から投入する戦術で、2度の逆転勝利を引き寄せた。WBCで勝利を引き寄せるためには、「和」を重んじながら、圧倒的な個の「二刀流大谷」を生かすことを第一に考えた。そこに、森保監督のチーム作りの信念がある>>
森保監督 選手が自然に持っているものを最大限に生かして、さらに指導でパワーアップさせる。で、他の選手とのつながりで、チームとして、その良さをまたパワーアップさせるということが必要だと思います。
<<選手を信頼し、結束を深めながらチーム力を上げていくのは容易ではない。各所属チームから大会直前に集合する日本代表チームなら、なおさらだ。だが、森保監督は「栗山監督はそれができている監督だろうなと思いますね」と断言した。侍ジャパン指揮官の「ある姿」が、森保監督に確信と共感を抱かせていた>>(後編に続く)
◆戦術メッシ テレビ出演の際、森保監督がW杯を制したアルゼンチンを率いたとすれば、との質問に「戦術メッシでいきます」と新たな“森保語”で回答した。チームメートからも相手からもリスペクトされ、得点もアシストも決める世界最高の名選手を生かす戦術を取れば、勝利する確率が上がるというのが真意。








