高校野球の地方大会が7月末で終わった。日刊スポーツでは4人の新人記者が「1年目の夏」を体感。取材に汗を流した、それぞれの夏を振り返る。

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強みは「覚えられやすいこと」かもしれない。私は天然パーマで、ブロッコリーとか鳥の巣と、よく言われる髪形をしている。選手を取材していると、目線が時折私の頭に行くのがわかる。横浜・村田浩明監督(38)は、試合中継に映っていたことを教えてくれた。

こんな髪形で丸刈りの選手が多い高校野球を取材しても良いのだろうか、と悩んだ。慶応で唯一の丸刈りだった酒井一玖内野手(2年)は「高校野球はやっぱりこの髪形だと思ってます」。プロ注目の横浜隼人・沼井伶穏投手(3年)は「この先、頭を丸める機会はないと思うんで」と笑っていた。鶴嶺の猪田大貴捕手(3年)は試合前日に髪を刈り「頭を丸めたらみんな気合入るかなと思って…」。結果は実らなかったが、主将として決意を示していた。選手の数だけ、髪形にも物語があった。

7月23日、神奈川・向上の平田監督(手前)
7月23日、神奈川・向上の平田監督(手前)

6月下旬、向上へ2度目の取材に伺った。グラウンドには、女子マネジャーが作ったカフェが隣接している。初めて行った時、あまりの居心地の良さに、もう1度行きたいと思った練習場だった。マネジャーの荏原あおいさん(3年)が笑顔で迎えに来る。彼女とは、この日が初対面。容姿で笑われるのは慣れていたが、部屋に入ると理由がすぐに判明した。予定表の名前に「日刊スポーツ アフロ様」と書かれていた。彼女は「一体、どんな人なんだ?」という謎が解決して笑ったのだろう。“仕掛け人”は平田隆康監督(50)だった。彼女に話を伺う。「え、それ天然パーマなんですか?」と驚かれた。柔軟な発想と機敏な仕事ぶりから平田監督に信頼されている彼女は、マネジャー活動を通して人を幸せにしたいと思うようになったという。夢は美容師。いつか、この髪を切ってもらいたい。

神奈川大会終盤、村田監督に「記者っぽくなってきましたね」と声をかけられた。その言葉は、力になった。激戦区を取材するべく、野球の知識を増やそうと懸命に勉強した。基礎を学んだこの夏は、記者人生の原点になるだろう。貴重な経験と出会いを忘れずに、容姿と中身の双方で勝負できる記者になっていきたい。【深田雄智】