「オーナー付顧問」という新たな肩書で6日、宜野座キャンプに登場した前監督・岡田彰布の2シーズン、人気だったのはミエセスだ。なんとも言えない愛嬌(あいきょう)があった彼が昨季限りでいなくなったのは寂しい。思い出すのは「新幹線」の話だ。
ドミニカ共和国出身のミエセス、飛行機は平気だったが新幹線に乗車するのが怖かった。「なんで列車があんなスピードで走るんだ?」。スペイン語の通訳・橘佳祐に恐る恐る聞いてきたそう。
このキャンプで注目される新外国人ヘルナンデスも同じドミニカ共和国の出身。第1クールでの三塁守備に加え、この日は一塁、それに外野守備も行った。打撃もシュアな感じで期待が高まる。クレバーだな、と思ったのが外野守備についての感想だった。
「捕球地点まで最短距離でどうやっていくのか。自分の後ろのボールに対してどうやって効率よくターンしたらいいのか。基本的なことを教わった。彼のようなコーチを持ってすごく、すごく幸せだ」
外野守備走塁コーチ・筒井壮からの指導を解釈してしっかり説明。同時にコーチへのリスペクトを口にするなど、人間的にも大人な様子を感じさせた。
新加入の外国人とはいえ、佐藤輝明、森下翔太、さらに大山悠輔のクリーンアップ候補が順調ならスタメン出場はむずかしいと思う。それでも代打、途中出場など少ない機会をモノにしそうな気配は感じさせる。そんな彼に“2匹目のドジョウ”を狙って聞く。新幹線をどう思っているのか。やはり、こわい?
「情報は仕入れてきているからね。こわいとは思わないな。乗るのが楽しみだよ」とニヤリ。記者への対応も慣れたもの、と感心して「ありがとう」とお礼を言う。するとかえってきた言葉は「オサキデス(お先です)!」。???
「キャンプで覚えた日本語ですね。あれを言えば早く練習を上がることができると思っているみたいです。食事会場で若い選手が言うのを聞いて『あれはどういう言葉なんだ?』と聞いてきました」。橘が、そう説明した。
この日の使い場所は間違っていたけれど、日本でもいまどきの若者なら言わない? ようなセリフをマスターした新助っ人。阪神がセ・リーグをぶち抜いて「お先です!」と言える状況に貢献できるか。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




