これはいけるか-。1点を追う9回1死二、三塁と絶好のチャンスでそう思ったが3番・森下翔太、4番・佐藤輝明が則本昂大に抑えられ、阪神は楽天の前に1点差で屈した。今季ワーストタイの4連敗。交流戦は5勝5敗の五分だ。

試合前「ははあ」と思ったスタメン発表だった。6番に捕手・坂本誠志郎が入っている。最近、勝負強い打撃が目立つ坂本だが6番は今季初めて。2回にしぶとく四球を選んだがその後は3打席無安打、出塁もできなかった。

大げさに言えば、阪神はいま「6番問題」を抱えている。1番・近本光司から5番・大山悠輔までは不動の打順。現状、その次を打つ6番打者で苦しんでいると言えるのではないか。もちろん下位に低迷するチームはもっと多くの問題を抱えているとは思うが、首位を走る阪神はここかもしれない。

阪神の6番打者は、交流戦で打率1割6分2厘となった。シーズン全体でも同1割9分6厘だが、これは投手が打つ9番を除けばもっとも低い打率だ。クリーンアップに続く部分だけに、ここがいまひとつ機能していないのは痛いと言えるかもしれない。

開幕当初の6番は前川右京だった。3月は3試合で打率3割、4月は22試合に出場して同3割8厘と好調な滑り出しを見せていた。しかし5月は14試合に出て、わずか9分3厘。一気に調子を落とし、同22日に2軍降格、現在に至る。

その頃、前川と少しだけ話したが「何もかも全部ダメですね。全部、頑張ります」と、普段の明るい表情を浮かべることなく話していたものだ。その後、懸命に修正に励んでいるようでウエスタンリーグでは好成績を収めている。それだけに西武戦での3連敗もあり、そろそろ前川を昇格させる時期ではないかと思ったが阪神首脳陣に動きはなかった。

指揮官・藤川球児も頭を悩ませ、いろいろ試している。交流戦に入ってからはヘルナンデス、糸原健斗、木浪聖也、そしてこの日の坂本が6番に入ったがなかなか定着できない。

日替わり打線はそれ自体、悪いことではないが、1番から8番までをしっかり同じ顔ぶれで組めた方が、当然、安定はするはずだ。レギュラーとそれ以外に“格差”のある現在のチーム状況も影響している部分かもしれない。なんとか打破したいところだ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

言葉を交わす阪神藤川監督(左)と坂本(2025年6月12日撮影)
言葉を交わす阪神藤川監督(左)と坂本(2025年6月12日撮影)
楽天対阪神 試合に敗れた阪神ナイン(撮影・井上学)
楽天対阪神 試合に敗れた阪神ナイン(撮影・井上学)