「う~ん」と思ったのは4回、阪神の攻撃、佐藤輝明の打席だ。

1死一塁の場面で1ボールからの2球目、赤星優志が投げたフォークにブルンと空振り。最後は左手が離れ、いわゆるハンマースイングになった。そのフォロースルーのバットが捕手・岸田行倫のマスクをかすったのである。

体が大きく、リーチの長い外国人選手がたまに見せる光景。佐藤輝は少しびっくりし、岸田に謝った様子だった。結局、その打席は空振り三振に終わる。それを含めて、この日は4打数無安打2三振という結果だった。

阪神が勝ち越したこの東京ドーム、巨人3連戦で佐藤輝は無安打。前カード、13日の広島戦(マツダスタジアム)から4試合で安打を記録していない。打席数で言えば17打席連続無安打となった。これは今季最長だ。もちろん、その程度でどうこうはないと思うのだが、今季、ここまで好調をキープしてきた佐藤輝だけに少しだけ心配になる。

思い出すのは前回、16打席で安打が出なかった頃の話だ。それは開幕2戦目から4戦目まで。3月28日の開幕戦、広島戦(マツダスタジアム)で佐藤輝は先制決勝2ランを放っている。最高の出だしだった。しかし、そこから沈黙。直後の3試合で8三振を記録するなど16打席で無安打を続けたのだ。

その頃、広島3連覇監督・緒方孝市(日刊スポーツ評論家)がこんなことを言っていた。「佐藤輝は打率アップを意識してキャンプから過ごし、オープン戦もいい感じでやってきていた。ところが開幕戦、最初の打席で本塁打したことでそれが吹き飛んでしまったのかもしれない」。

幸いにも、すぐに今季の初心に戻れたようで軽打も意識し、ここまでプレーしていた。その結果、本塁打数も増えていたのだ。だが12日の広島戦を欠場。疲労を考慮した休養目的と思われたがその後、この状況になっている。ここで1試合に休んだのが不振の理由とは思わないけれど何というか今は少々、ムキになっているような感じも受ける。

オーバースイング気味に空振りし、捕手のマスクにバットが当てたことで余計にそう感じてしまった。いまは開幕直後の頃に少しだけ似ている気もする。すでに優勝も本塁打王も間違いない状況だ。ポストシーズンを見据え、ここは不調の波は小さく抑えてほしいと感じている。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

巨人対阪神 6回表阪神1死、佐藤輝はバットを折られ三直に倒れる(撮影・滝沢徹郎)
巨人対阪神 6回表阪神1死、佐藤輝はバットを折られ三直に倒れる(撮影・滝沢徹郎)