“激戦”再びか。そんな思いも起こる3連敗だ。新庄剛志率いる日本ハムの前に阪神は3連敗を喫した。スイープされるのももちろん、3連敗自体が今季初だ。苦手と言われる交流戦だが、予想通りのスタートとなったのである。
連敗の中、虎党を喜ばせる見せ場はあった。この日は9回に佐藤輝明が1発を放った。先制打は大山悠輔だ。前日は森下翔太も本塁打をマークしており、打つべき人が打った感はある。そこに加え「あれを見せてくれたらな…」というものがあったとすれば、やはり黄金ルーキー・立石正広の活躍だったかもしれない。
前カードの東京ドームで鮮烈なデビューを飾った立石だが、この3連戦は無安打。初戦が2番、2戦目が1番、そしてこの日は6番と打順は変わったがいずれも安打を放つことはできなかった。試合前には指揮官・藤川球児が立石に言葉を掛ける場面も。
「期待が大きくなってしまっているだけにね。たった数打席でメンタルとか心の揺れ動きは必要ないよ、と。そこはタイガースならではというかね」。その内容を球児はこんな感じで説明した。自身もイヤというほど知る人気球団のプレッシャー。それをなるべく感じずにいてほしいという配慮だろう。
何と言っても鳴り物入り入団、注目のルーキーである。今後も起用は続くだろうが同時にプロは結果だ。立石が故障で出遅れていた間に展開されていたのは激しい左翼手争いだった。それが立石のデビューで吹っ飛んだ感もあったのだが、もちろん、他の選手も黙っているわけにはいかない。
例えば、福島圭音だ。5回に代打で出ると同じ姓の福島蓮からいい当たりの中前打を放った。本人がどう感じているかどうかは聞いていないので分からないが「エリートに負けないぞ」という育成出身の意地のようなものを感じて「いいな」と思ったのである。
「目の前に来たチャンスを逃してはいけない。切磋琢磨(せっさたくま)してチーム全体が強くなっていくということが重要ですから」。そのあたり、球児もそんな話をした。
次カードは千葉でのロッテ戦だ。今度はDH制がある。候補は嶋村麟士朗か、ディベイニーか。あるいは主軸打者の休養を兼ね、当てるかもしれない。いずれにせよ、相手にも自軍の選手にも負けないという思いは必要だ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




