東京学館新潟が糸魚川に勝ち、08年以来7年ぶりの4強入りを決めた。2-0で迎えた6回裏1死二、三塁の場面で加勢良輔(2年)が中堅越えのランニング本塁打。3点を追加して勝負を決めた。

 加勢が放った鋭い一撃は、グラブを構える八嶋徹(2年)の頭上を加速しながら越えていった。2-0で迎えた6回裏1死二、三塁の場面で飛び出したランニング本塁打。一気にホームに滑り込み、右腕を突き上げて立ち上がると、両ふくらはぎをつった。ベンチで出迎えるナインに祝福を受けながら、痛さと喜びが交錯した複雑な表情を浮かべる。「前の回から違和感があって(患部を)伸ばしていた。だけど気合で走った。うれしいより、早く伸ばしたい、が先でした」。そう言って、殊勲者は試合後に笑った。

 糸魚川のエース松沢寛人(2年)は準々決勝までの3試合27イニングを、1失点で切り抜けてきた好投手だった。東京学館新潟打線も、4回までは無安打に抑えられた。出した走者は失策で出塁した坂井弘大(2年)1人だけ。そんな沈滞ムードを一掃したのが、加勢のバットだった。5回先頭で中前にボールを運び、チーム初安打。この回は2安打に相手の2失策をからめて2点を先制した。「(バットの)ヘッドをうまく出すことができた。調子がいいと感じた」。その感触そのままに、6回の快打につなげた。

 「よくバットを振り抜いて、センターにはじき返してくれた。あの得点は大きい」と長谷和昭監督(54)は加勢の打撃を振り返った。エース山田佳偉(かい=2年)は8安打無失点で粘投していたが、指揮官は「いつ崩れてもおかしくない不安があった」と言う。そんな危惧を、加勢の3点ランニング本塁打が一気に晴らした。エースを楽にさせる効果もあった。130キロに設定したマシンをマウンドより前に設置して、打ち込んできた成果。「負けていい試合はない。北信越出場を狙う」と加勢は、好調な打撃を村上桜ケ丘戦で披露する覚悟だった。【涌井幹雄】