名将横浜・渡辺前監督が吉田輝星に「無欲」のゲキ

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高校日本代表の金足農(秋田)・吉田輝星投手(3年)が8日、中国との3位決定戦に向けて宮崎市内で最終調整を行った。U18アジア選手権のスーパーラウンド2試合(韓国-台湾、日本-中国)は天候不良のため中止となり打ち切り。当初の予定通り今日9日に3位決定戦が行われる。この日、前横浜高監督の渡辺元智氏(73)が練習を視察。吉田には「無欲」を説き、ゲキを飛ばした。

甲子園通算春夏51勝、優勝5度の名将の言葉が、吉田の闘争心を呼び戻した。約2時間の練習後。渡辺氏からゲキを飛ばされた日本のエースは、3位決定戦を前に悲壮な覚悟を口にした。「カナノウの時の野球を思い出してやりたい。そういうのを忘れていた部分はある。うまいから声を出さなくていいわけじゃない。チームのお手本となる人間が声を出していかないといけない」。日の丸を背負って守りに入っていた自分を認め、「無欲」で戦って3位を死守する。

名将は見抜いていた。吉田の投球を見て、的確な言葉でハートに火を付けた。

渡辺氏 甲子園決勝の熱気を取り戻した方がいい。吉田君は金足農では無欲で戦っていた。今は甲子園決勝の雰囲気がない。それを再現したらどうかと、シメてきました。

含蓄のある言葉に、吉田はうなずいた。「今までは日の丸のプレッシャーがあったかもしれない。アジア2連覇を掲げてやっていて、チーム全体に少し力が入りすぎていた」。続けて「甲子園では11年ぶりの出場でチャレンジャーとして戦っていた。そういう意味では下からのスタート。ただ登るだけだった」。ひたむきに泥臭く戦うのが「カナノウ野球」。日の丸を背負っても、原点を貫き通して本来の姿を取り戻す。

最終調整ではノースローにとどめ、入念にストレッチを行った。台湾戦の試合後に口にした投球フォームの違和感については「(踏み出した)左足を着くとき、つま先からいっていた。だから体が前にいって、頭がぶれていた」と修正ポイントを発見していた。スクランブルで臨む3位決定戦に向けて「最後の力を振り絞って、ベスト3に入りたい」と宣言。“無欲侍”に戻った吉田が、勝利のマウンドに立つ。【高橋洋平】

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