エース大内良真(2年)の活躍で、福島商が3年ぶり19度目の秋季東北大会を決めた。打たせて取る投球で8回を投げ9安打完封。8月から金足農・吉田輝星の投球フォームを手本に、下半身強化とフォーム改造に着手。すると制球力がアップし、急成長を遂げた。

最速140キロの直球にスライダーを織り交ぜ、打者を幻惑し連打を許さなかった。6回にはすべて初球で打ち取り、わずか3球でマウンドを下りた。「調子は良くなかったが、腕を振って低めに集めることができた」と振り返った。

今夏の決勝・聖光学院戦に先発登板しKOされた。大会後は、疲労蓄積で右肩を痛め投球できず、ひたすら走り込んで下半身強化に努めた。安斎海人捕手(2年)は「自信家で俺が一番というところがあるので、うまく乗せていくと力を発揮する。序盤から調子が悪かったので打たせて取ることに徹した」と振り返った。「東北大会で優勝してセンバツ出場を決めたい」と大内。調子を落としていても抑えてしまう、一皮むけた投球術で夢を実現する。