国学院久我山(西東京)が前橋育英(群馬)を逆転で下し、春夏通じて甲子園初勝利を挙げた。

28年ぶりの出場で、甲子園に国学院久我山の校歌が響き渡った。「気持ちよかったです!」。好守でチームをもり立てた坂口は笑った。自慢の粘り強さと集中打で逆転。春夏6度目の出場で初勝利を果たした。

試合前、エース高下が叫んだ。「ここで負けたら意味がない!」。校歌を歌うまでは負けるわけにはいかない。3-5で迎えた7回2死から、外角のカウントを取りに来る変化球をコンパクトに捉え、強い打球を打った。2番岡田の右前打をはじめに、神山が続き、4番の宮崎は追い込まれてからの真っすぐを振り切った。同点の中前適時打に「見事にハマリましたね」としてやったり。続くエース高下が中前適時打で勝ち越し点を奪った。

昨夏の新チーム結成時、周囲から「今年は史上最弱のチーム」と言われた。選手たちは奮起し自分たちを見つめ直し、5つの目標を立てた。<1>全力疾走。<2>グラウンドではダッシュ。<3>用具管理、<4>時間厳守。そして、<5>甲子園で校歌を歌うこと。中沢直主将は「目標が明確になり、自分が何をすべきかわかった」と振り返る。この日の試合に臨むに当たってもそう。宮崎は前日にしっかり道具を磨き、高下は試合中、マウンドに落ちていた芝を拾い上げポケットに入れた。甲子園の大舞台でも、いつもと変わらないプレーが逆転劇を生んだ。

井口(現ロッテ監督)がいた28年前にもつかめなかった1勝。試合後、尾崎直輝監督(29)は選手1人1人に歩み寄りハイタッチ。選手たちの笑顔であふれた。国学院久我山の新たな歴史が幕を開けた。【保坂淑子】

国学院久我山・尾崎監督「校歌を聞けて幸せでした。これを目標にやってきましたから。選手たちも自信になったと思います」

国学院久我山・高下(先発完投で甲子園初勝利)「前半は雰囲気にのまれてしまったが、うまく切り替えてリズムに乗れた。1勝をかなえられたので、これからはどれだけ通用するのか挑戦したい」