星稜・奥川恭伸(3年)が14回で23奪三振。延長戦とはいえ甲子園で23個も三振を奪った投手は、73年江川卓(作新学院)が横手投げの松尾勝則(柳川商2年)と投げ合って15回23個をマークして以来46年ぶりになる。

夏の大会では江川のほかに58年板東英二(徳島商)が村椿輝雄(魚津)と投げ合った18回25個があるだけだ。奥川は13回までに23個。13回までの個数は板東18個、江川21個で、両者に比べ好ペースで数を重ねた。試合終了時間を見ると奥川は午後1時41分。板東が同8時3分、江川が同5時15分だから、奥川は暑い時間帯に投げた。

過去に甲子園の延長戦12勝2敗と全国最多勝利を誇った智弁和歌山の「延長伝説」を力でねじ伏せた。打者48人に対し、3ボールになったのは2人だけ。無駄なボールを投げず、14回でも150キロ以上出す力が残っていた。【織田健途】